先週頭?に買ってきた、「嫌われる勇気」というタイトルの本を読みました。
前々から気になっていたけどついに購入。
これ2014年ベストセラーとか書かれているけど初版は2013年12月で、2014年11月には20刷も増版されている!
つまり、どれだけ多くの人がこのタイトルに騙された(いい意味で)のか、それとも帯や煽り文句を見て
この本にすがったのか。

そんな自分も衝撃を与えるタイトルに惹かれたのと、ここ1年で色々なことを経験してきた中で、やっと自分自身について向き合うつもりでもあり、各所のレビューを流し読みした感じではとても今の現状にあっていると判断したため購入しました。

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心理学?宗教的な何かを感じて気持ち悪い。
わかる、とてもわかるし手に取るまで怪しすぎて疑っていたくらいです。
まず、この本の対象者は誰でも…と言いたいところですが、下記のような人が一番向いてると勝手に考えています。

・様々な現状について不満を抱えてはいるが、変えたいと思っても変えられない人
・何かと理由をつけて現状を打破していない人
・劣等感や他者との比較で疲れてしまっている人
・自分が好きになれない、または他者を好きになれない、信頼出来ない人

要は、迷っていたり、堕落した生活を送りつつ、今のままでいいのかな・・・とか、誰もが抱くときはあると思いますが、そんな時にこそ読んでほしいと思う。
自分自身の人生に意味を見出していて、現状に満足している人でも効果はあると思いますが、まぁそんな人がこの本を読むとは思えないので。

ちなみに、嫌われる勇気ってのは、「嫌われてもいい」とか「嫌われるけども他人のために何かをする」という内容では全くありませんw
勘違いして買う人が多いようです。
また、この本の結論が「自分は自分でいいんだ!思うがまま生きる!」的な結論だと思ってる人も多分違っています。
そんなの自分探しのたびに出かけて見つけるだけの話なので。
何も問題が明確ではないし、結局また迷って旅に出るだけですね。
この本では自分が自分でいいんだと思えるための手助けと理由付がきちんとされています。

そして、いきなりですが本書の内容についてはこと細かに書くつもりはないです。
何故かと言うとせっかくの良書の本筋が曲解して伝わってしまい、読んだ気になってしまうのが問題だからです。
きちんと内容を伝えきれないという点もありますが、やはり自分自身で読んで感想を持って欲しいと思えるくらい良本でした。

とはいえ、それじゃあまりにも読んだっていうことしかないので簡単に僕が受けた印象だけ書きます。

心理学といえばフロイト、ユング、そしてアドラーという存在について知ってほしいとは思います。
フロイトやユングは一般的にも知られているし、TVでもよく事件が起きるたびに心理学の専門家が呼ばれて、過去の事例が云々って言ってるので知名度がありますね。
僕もこの本を読むまではアドラーって何がどうすごいのかさっぱりわからなかったけど、おかげでまた新しい心理学の説を知ることが出来ました。

アドラー心理学は本当にフロイトの逆説なんですよね。
よくそこまでの考えに至ったとも言えるし、逆に言えばひねくれているとも言える。

フロイトが「現在の全ての事象や理由、存在意識は過去(の経験)からきている」といった原因論ありきなのですが、アドラーは「過去のトラウマなどない。本人の無意識化の選択と目的、そして対人関係による悩みが全てだ」
とぶった切っています。

まずここだけで驚きなのですが、全ての物事に原因はあるという点は双方共通なのですが、その原因の切り分け方がとても斬新であり、かなり心がズシンと痛くなる、そんな内容から始まります。

一例として、赤面症の少女が好きな異性に告白をしたいが、人前で赤面症になるため怖くて出来ない。
の例では、「少女が赤面症だから出来ないのではなく、告白に失敗したくないから赤面症なんだ」

この一節だけでも同意できる人、わかった人ってのはアドラーの本質に近い人で著書を読むと楽しくなれると思います。
そうじゃなくて理由が何故?!って興味が湧いた人もお勧めです。

心理学と言っても小難しいことはなく、上記のような喩え話を通して哲人と呼ばれる哲学者と、図書館の司書をしている青年との対話形式で進められるのでさほど読むのに苦労はしないと思います。
特に本を読んでいる側の心理がそのまま青年の疑問と一致している点が本当に上手く表現されていて、こちらも全く同じことを疑問に思ったし、哲人の言動に苛立ちや不満を持ったのも事実です。
まぁ青年の心理描写がかなり過激に書かれているおかげでこちらは冷静になれるのですが。

「他人の人生を歩むな」

これも大きい感銘を受けました。

他人がいいと言ったら良いのか、その人のようになりたいという理由から自分を放棄するのか。
両親や学校の先生の言いつけを守ると褒められるし、承認欲求が満たされる。
それは他人が思うがままの人物像を演じているだけで本当の自分ではない。
転職でもそうですが、お前はここにいるべきだとか、お前どこ行ってもダメだよとか言われたことがあるとしてそんなのは余計なお世話なのです。
心配してる素振りを見せますが会社は自分たちが大事なのであって、出て行く人間の心配などする必要がないのです。
自分の課題と他人の課題の分離が出来ていないからこのような発言が出るし、他人がその会社はいいよって言ったら行くのでしょうか。
つまり、目的としては会社の不利益になるから退職者を出したくないという目的理由だけになります。
あるいは相談された側の妬みや不満が出ただけでしょう。

他にもたくさん書ききれないのですが、承認欲求の話であったり、親子関係、友人関係、社会の一部としての自分など。

最後に、人生最大の嘘について。

フロイトが過去の原因論ありきで、未来もそれによって決まっていくというスタイルに対して、アドラーは、「今」は点であり、過去は変えられない普遍的な事実であるが、未来は変えることが出来、誰も決めていない。
そして、その点はスポットライトでありどこにスポットライトの焦点を当てるかによってライフスタイルは変わると。

やりたくないことを今が楽で平坦だからと続けるのか、やりたい目標、もしくはそこまで大袈裟ではないが少しでも興味が有ることに取り組むか。
それは「いま」を生きることについて放棄していると、嘘を付いていると。
だからといって我儘に自己中心的に生きていいというわけではないのですが、そこは本書を読んでください。


書かないと言いつつも、やはり伝えたいことがたくさん出てしまい削るのに苦労しました。
他にも何故、対人関係が全ての悩みにつながるのか、という大筋の話もとても面白いです。
最後がちょっと無理矢理感というか、惜しいなぁと思ったりもしましたが。
序盤~後半手前までは納得できたし、きちんと噛み締めて飲み込める内容でした。
そこまで読めば充分かな・・・。
でも、自分が考えていた欲求や周りとの付き合い方について、とても参考になるいい著書でした。

興味がわいた方はぜひどうぞ。