11月末頃に20年以上会っていない父親に電話したことをブログに書いたけど、なかなか予定が決まらなかったが本日、父ちゃんの地元で会う約束になっており飲んできた。

始めは待ち合わせ場所が結構遠いし、乗り換え回数も多くて、なんだかわざわざ会いに行くのが億劫だったのも事実。
でもなんだかわからない使命感というかもう今年は嫌なことから逃げてもしょうがないという気持ちで自分を奮い立たせ電車で向かった。
(昼間に別件で色々ゴタゴタがあって面倒だったから気が滅入っていたのもある)

最寄りの駅に着いて電話したら車で迎えに来てくれるとのことだったのだが
なんと現れたおっさんがあまりにもおっさんというか老けていて驚いた…
相手も俺のことを見て最初わからなかったけどそりゃそうだよね。
もうこの時点で自分と母さんだけでなく、父ちゃんがどれだけ苦労してきたのか
それが容易に想像出来た。

それから週に3日以上通っているという漫画やドラマによく出てきそうな場末のスナックに連れて行かれた。
もっといいところで奢ってあげるつもりだったのだが、これが案外とても雰囲気が良くていい店だった。
店は見かけじゃないってのがよくわかり反省した。

店のママさんは60過ぎたくらいのおばちゃんだけ。
たまに娘さんと孫が手伝いに来るらしい。
常連さんもこの日は一人だけきてて、父ちゃんと同い年だと紹介された。
息子が来るからとママに頼んで鍋を用意してくれていた。
普段ならそんなメニューはないらしいが、刺し身もいい魚を用意してくれた。
ビールは普段呑まないのだが、息子と飲み交わすのが夢だったらしいので空気を読んだ。

父ちゃんは工事関係の仕事をしていたのだけど、どっちかというと組み立てではなく解体業。
だから危険が伴うのはわかっていたのだが、数年前に右側から巨大な10kgくらいの解体機材が飛んできて
右半身大負傷して2ヶ月くらい入院して手術してたらしい。
もうその話を聞いただけでなんだか切なくなった。
でも、無事生きているし手術の後もわからないくらいになっていて、普通に運転も仕事もしてるらしい。
本当に良かった。

それから店のママも交えて普段の話や、母さんと離婚してからどうしていたかなどを聞いた。
俺はじいちゃんが逝去した話をし始めてから、どうしても我慢しきれなくて泣いてしまった。
じいちゃんが父ちゃんの代わりをしてくれていたこと。
そんな大好きなじいちゃんの葬式は無理だったにしてもせめてお焼香には来てほしいと。
そして、なぜ、どうして別れたのか、後、母さんとの出会いについて。
これは相当衝撃的だった、今まで話したがらなかったし僕も聞けなかったので。
母さんが何よりモテたってのは驚きだったが、そんな人気の母さんをゲットした父ちゃんもすごいな。

でも、あまり強く色々言えなかった、正確にはなんも言えなかった。
父ちゃんも苦労してたんだなって思うと何も言えなかった。
何年経っても父ちゃんは俺の父ちゃんだった。

何より店のママさんが俺のことを相当気に入ってくれて、昔から話聞いてたよーって。
俺は母さんには毎年、誕生日と母の日にはプレゼント送ったり、お歳暮送ったりしてるって話した。
立派な息子さんだって何度も褒めてくれた。
それとじいちゃんやばあちゃんと母さんが俺を一生懸命育ててくれたんだろうねぇって。
あなたも苦労してきたんだろうねぇって何度も労ってくれた。
社会人になってからこんなに人に暖かく迎えてもらったり優しくされたことってないかもしれない。
嬉しかった。

それから色々昔の話したり、俺が小さいころの話をした。
ママさんがおでん食べろ!鍋にうどんいれて食べろ!って実家のばあちゃんみたいに
色々進めてきてちょっと笑えた。

仕事がまだ残ってたし翌日も父ちゃんは仕事だからと23時にはお開き。
また母さんにも電話して、じいちゃんのお焼香とばあちゃんが元気なうちに絶対会ってくれと約束した。
まぁ都内同士だからまた飲む機会もあるだろう。

なんか胸のつっかえというか、色々悩んでた憑き物が少しは落ちたかもしれない。
そして複雑な気持ちなのだが、再婚をお互いにしていなかったこと。
父ちゃんならしててもおかしくなかったのだが不思議だった。 
嬉しかった気もするが、どうせなら再婚して元気に新しい家庭を築いて欲しかった気もする。

特に何が変わったわけでもない。
でも、なんだか人を許す…というと大げさだけど「罪を憎んで人を憎まず」
「人の人生に歴史あり」というものが今の俺の心境にぴったりかもしれない。
離婚したせいで苦労したのもまたそうなのだがそれを今まで影響しているのかと言われればそうではない。
俺の生き様に影響を与えたのは事実だがその後の人生をどのように切り開き生きてきたかは己自身なのだと。
頑張っていこう。
後、なんとなく正月に実家戻ったら母さんにもっと優しくしようと思った。

 
ちなみに、アニメやドラマならここで、父ちゃんの連れ子だとか良くしてもらっている娘さんが出てくるのだろうけど、残念ながらそんな出会いはなかった(笑)
俺が出会いがなく非モテなのはどうやら関係なくもうそういうもんなんだろう。

そんな週末の金曜日